CAMSERAでは、鍼灸師が安全な美容鍼灸の施術を行い、クライアントに安心して美容鍼灸の施術を受けて頂ける環境づくりを目指しています。
現在の美容鍼灸には、様々な施術スタイルが存在しており、最小限の刺激で効果を求める鍼数の少ない施術もあれば、多くの刺激を与えて最大限の効果を求める鍼数の多い施術、そして、東洋医学に基づく施術もあれば、西洋医学に基づく施術もあります。
今まで開催してきたセミナーにおいては、受講者からしばしば「どのような美容鍼灸が一番良いのでしょうか?」という質問を受ける事があります。
しかし、施術スタイルに対する考え方は、術者によっても様々であり、またクライアントが求めるものも千差万別である事から、何が正しいかを一つに決めることはできません。
唯一言えることとしては、美容鍼灸の技術は「効果の前に、安全であること。」そして「クライアントから望まれる技術であること。」の2点が重要ではないかと感じています。
美容鍼灸の現場で多いトラブルには、「鍼に対する痛み」や「内出血による青あざ」「コミュニケーション不足」などが多い様に感じています。
「(刺鍼技術が粗雑で)鍼が痛くて耐えられなかった。もう美容鍼は受けたくない。」
「目の周りに大きな青あざが出来て、恥ずかしくて外出できないほどだった」
「肌の悩みを伝えたのに、ただ鍼を打つだけで、悩みに対する説明や鍼の効果などの説明も無かった。」
これらの殆どが、未熟な技術による施術や経験不足によって起こるトラブルだと言えます。
そして、このような残念な思いをしてしまったクライアントが、再び、美容鍼灸を受ける事はまずないでしょう。
これは個人の問題だけではなく、業界にとっても大きな損失だと言えます。
美容鍼灸の施術方法を身に付けることに関しては、美容鍼灸の講習を行っている団体やセミナーが多く存在しています。
しかし、安全刺鍼やリスク管理について指導している団体やセミナーは少ないため、CAMSERAでは、安全でかつ、クライアントから望まれる美容鍼灸を提供できる鍼灸師の育成が大切だと考えています。
そのためCAMSERAでは、どの美容鍼灸師においても共通する「安全」な施術を行うための基礎技術の普及を行っていきたいと考えています。
CAMSERAの技能部門で取り組む活動としては、美容鍼灸における基礎技術の確立と、リスクマネジメントに重きを置いた基礎レベルの統一化になります。
CAMSERAでは、美容鍼灸に携わる鍼灸師が、鍼灸業界及び美容業界においても、健康と美容のプロとして評価される美容鍼灸師の育成を目指しています。
教育部門では、美容鍼灸を行う鍼灸師として最低限学んでおいて欲しい基礎知識や関連知識を学べるカリキュラムを作成し、提供できる環境を整えていきます。
基本的に日本で美容鍼灸を行うには、はり師ときゅう師の国家資格があれば技術レベルや経験の有無を問わず、誰でも施術を行うことが出来ます。
日本で美容鍼灸が本格的に注目を浴びるようになった2000年初頭から、現在に至るまで、美容鍼灸を行う鍼灸師は増え続けています。
しかし美容鍼灸の施術においては、日本でいち早く取り組んできた先駆者たちが、それぞれ個々の知識や技術を広めてきたため、鍼灸業界で統一された基礎となる教育システムなどはありませんでした。
現在、美容鍼灸を行っている鍼灸師は、学生時代に学校の授業や課外授業、クラブなどで美容鍼灸を学んだ方、美容鍼灸の団体が主催する講座やセミナー、スクールのカリキュラムを受講した方、もしくは、美容鍼灸を行っている勤務先で院長や先輩から指導を受けるなど、なんらかの形で美容鍼灸の技術を学び、施術を行なっていると思われます。
そのため前述したように美容鍼灸をどのような形で学び、研鑽してきたかによって、同じ美容鍼灸師を名乗っていても個々の知識や技術レベルの差は大きいと感じています。
美容鍼灸の施術スタイルは多岐に渡り、様々な考え方や施術方法が増えることは、業界自体の発展にとっては、欠かせないことではありますが、知識や技術不足の鍼灸師により美容鍼灸が広められることは、お客様、患者様、施術者、業界にとっても有益ではありません。
CAMSERAの教育部門で取り組む活動として、美容鍼灸における基礎教育と関連学習に重きを置き、美容鍼灸における基礎教育のカリキュラムの確立と、基礎レベルの統一化を目指します。
CAMSERAでは、美容鍼灸のリスクマネジメントの確立や美容鍼灸施術による効果の検証を行うことで、社会的に美容鍼灸が貢献できることの証明をしていきたいと考えています。
美容鍼灸の歴史は、中国医学としての歴史と比較するとまだまだ誕生したばかりの技術です。
この流れを一ブームとして終わらせることなく、今後も鍼灸の一分野として発展させていくには、科学的な評価による取り組みが必要不可欠だと言えます。
但し、美容を目的とした施術の場合、疾病などが対象でないため社会的には効果よりもまずは安全性を示す必要があると言われています。
実際に、お客様との間に、内出血や痣、痛み、違感覚などでトラブルが起こった話を耳にすることがあります。
そのため美容鍼灸の研究においては、リスクマネジメントの取り組みを第一優先とし、次に美容鍼灸の効果についての取り組みを行いたいと考えています。
元々、鍼灸治療における論文自体が少なく、美容鍼灸に限っては10年近い期間の中でたったの百十数例しか研究や論文発表が行われていません。
私たちも、ここ数年の間に美容鍼灸の研究や論文の発表などに取り組んできましたが、色々なルールや専門知識、一つの研究に費やされる時間も必要であり、充分な研究が行われているとは言えない状況です。
また、鍼灸師の中には、美容鍼灸の研究に興味があっても、どのように取り組めば良いのか?また倫理審査委員会などをどうやって通せば良いのか?などが分からず、なかなかその一歩を踏み出せないケースも多いようです。
そのため、CAMSERAでは、研究に興味がある方を対象に勉強会や研究のサポートなども行っていける環境を作りたいと考えています。
当面は、団体の運営を行うために会員の募集や資金を集める活動が中心となりますが、準備ができ次第、研究部門の活動もスタートしていきたいと考えています。